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CES アップル、非出展でも存在感 アイフォーン周辺機器目立つ

米ラスベガスで開催中の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」では、出展していない米アップルの存在感が際立つ。会場内にはスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」などアップル製品の周辺機器を展示する中小メーカーが多く、関連ビジネスが目立つ。これに加え、CESの常連だったマイクロソフトも出展を今回限りにすると表明するなど、来年からは2大企業の不在でCESの存在意義が問われそうだ。

 「展示会にくる数万人よりも世界中のアップルストアを訪れる何千万人(年間)を大切にしたい」。アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は生前、CESに出展しない理由をこのように語っていたという。

 とはいえ、CES会場ではアップル関連ビジネスは活況だ。中小のIT企業はアイフォーンやタブレット端末「iPad(アイパッド)」の専用カバーや、アイフォーンを自転車に付けて地図や走行状態を示すアプリなどが展示されている。「アイフォーンなどで音楽を楽しむ人が多いことに着目した」と話すのは、イタリアの音響メーカー「IKマルチメディア」の担当者。同社はアイパッドでギターなどの演奏を楽しめる機器などを出展した。

 アップルを意識するのは大手も同じ。ソニーは音楽配信サービス「ミュージックアンリミテッド」が、アイフォーンなどでも利用可能になると発表した。もともとはアップルの「アイチューンズ」に対抗したサービスだったが、実利を優先させた。

 当のアップルもCESについて“高みの見物”を決め込んでいるわけではない。「アップルの社員がきて今後の展開を話し合った」と話すのは周辺機器メーカー担当者。来場したアップル社員は「200人以上」(関係者)とされ、関連メーカーとの折衝のほか、“敵情視察”にいそしんでいるという。

 アップルをめぐっては、CES開催直前に新型テレビ「アップルTV」が発表されるとの観測が浮上。ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長は「われわれは競争に直面している」と危機感をあらわにした。昨年もアップルはパソコン向けアプリを販売する「マックアップストア」オープンの発表をCESの会期中にぶつけた。会場にアップルのブースはなくても、注目度は間違いなくトップだ。

 一方、マイクロソフトも「製品提供サイクルとCESの開催のタイミングが合わなくなっている」として、来年以降の不参加を表明した。同社CEO(最高経営責任者)だったビル・ゲイツ氏は過去11回も基調講演を務め、CESの“顔”を担っていた。アップル、マイクロソフトという“主役不在”のCES。「来年以降、その重要性は薄れる」(メーカー関係者)との見方も出ている。
>>フジサンケイ ビジネスアイ [スポンサーリンク]
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