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新しいiPadはSiri非搭載... なんで?(動画あり)

retinaディスプレイの効果もあって予約の在庫完売のiPadですが、期待のSiri子は乗らずじまい...でも「アップルのケチ!」と腐るより、あれは入れなくて正解、むしろ喜ばなくちゃいけませんぜ。

iPad含めアップル製品にはいずれ必ずSiriが乗るだろうし、楽曲制御もSiri、ワールドシリーズ中継をONにするのもSiri、最寄りの病院探すのもSiriになるでしょう。アップルのコンピュータの将来ビジョンはSiri抜きには語れません。

だったらなぜiPhone 4SはオッケーなのにiPadはパスなのか? iPadはアップルがこれまで造った中で最速のモバイル端末ですから、処理速度の問題にはできませんよね。iPadはアップルがこれまで造った中で最も美麗なディスプレイ。Siriに音声であれこれ言いつけられたら最高なのに...何故? 

「それはiPadで使うほどSiriが優秀じゃないからだよ」

...とズバリ言うのは、タイムのマット・ペッカム(Matt Peckham)記者。彼曰く、いつもポケットで持ち歩く携帯とは生活の守備範囲がまるっきり異なるから、あのまま入れてもダメなんだよってことらしい...。

逆にiPadは、勤務先や自宅で座ってメール・SNSをチェックしたりウェブを閲覧したり、子どもが腰据えて延々調べ物に使ったりする。本・ゲーム・百科事典みたいな使い方だ。こうした「落ち着いた」シナリオで使う音声認識アプリに求められるものは、出先で移動中に使う音声認識アプリに求められるものとだいぶ違う。

言われてみればそうかも。

iPhoneでSiri使うのはちゃちゃっと何かを手早く済ませたい時ですよね。「一番近いXは何?」、「Yというアルバムを再生して」、「妻にZってテキスト送って」とかって具合に、指でいじるのも面倒だし言いつけちゃえって時に言いつける。要は怠けグセ。
一方、iPad版Siriはユーザーと一緒に何か物事を考えなきゃいけないですもんね。エキストラのコンピュータを使う、エキストラの脳、エキストラの右腕として、使い手と並行して作業を進めて補佐してくれなきゃいけないのだから...。まあ、それに似たものは、アップルが20年以上前の90年代初頭に出したプロモ動画にも出ています。「Knowledge Navigator」ですね。

http://youtu.be/9bjve67p33E

こんな風にスイスイ行けばいいのだけど...実際問題iPad版Siriがあったら、例えばこんな風に使っちゃうと思うんですね。

・自分が学期末の論文を書いてる間、20世紀に革命が起こったラテンアメリカ諸国を現GDP順にリスト出しする作業はSiriに任せる。

・「兄弟の結婚式で撮った両親の写真を全部拾って、自動補正し、メール送信用にリサイズしてね」とSiriにひと息にまくし立てる。

こんなの今のSiriには、とてもじゃないけど、ムリ。マット・ホーナン編集長が「ジョン・コルトレーンの○○聴かせてよ」ってリクエストしても通じないんだから。iPad版はもっと悲惨でしょう。Siriはまだ良く言ってベータ、悪く言って使い物にならないギミック、という段階ですからねぇ...前にホーナン編集長がこんな風にガンガン書いてましたよね...。

しかし、Siriの認識力はまさにベータのレベルだ。Siriが僕に返した言葉で1番多いのは「it didn't quite get that.(よくわかりませんでした。)」 僕のせいなのか? 僕のちょっとした南部訛りが悪いのか? 僕のモゴモゴした喋り方がダメなのか? 何が悪いのかはわからないが、ただ1つ言えるのは、僕のNexusはSiriが聞き取れないことの大半はきちんと理解できるということだ。

僕の言葉が聞き取れない以上に最悪なのは、僕が意味したことを理解してくれないということ。大抵の場合、Siriは本当にバカ。いやもちろん、Siriは言われたことはやる。が、Appleが発表して約束したような、ニュアンスを汲み取るようなことはできやしない。


このように携帯のベーシックなところでつまづいてるSiriをiPadに入れてもポストPC時代の旗手の名が泣くだけ...。携帯ならまだしも、コンピュータの高度なタスク理解するところまでは到達してないんですね。それは何光年も先の話です。従って今はまだ「iPadにないfeature(機能)」というより、「iPadにないfailure(機能しないもの)」と思う方が現実的かと。
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