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アップル、新規格「nano-SIM」の標準化で強行手段 一部で批判も

iPhone5こと、次期iPhoneに搭載されるとみられる新しいSIMカード「nano-SIM」は、現行の「microSIM」よりも30%ほど小さいサイズになります。そして、そのnano-SIMの標準化をめぐって今まさに熾烈な争いが繰り広げられているのです。以下、Financial Times(FT)が報じている内容を基にご紹介します。

 以前、アップルが欧州電気通信標準化機構(ETSI)に対してnano-SIMを提案したというニュースをお伝えしましたが、いよいよその標準を決定する投票が来週行われる予定です。
 nano-SIMをめぐっては、アップルの他にもノキア、モトローラ、RIMなどの常連メーカーがアップルとは別の方式を推進しており、熾烈な戦いが繰り広げられています。ただし、問題はここからです。
 まず、アップルが推進するnano-SIMはSIMカードを保護するための「drawer(ドロワー)」と呼ばれる部品が余計に必要な方式なのです。今後、スマートフォンの薄型化が進むにつれて部品点数が少ない方が有利ですので、その点において懸念事項が発生しています。
 また、アップルは来週に控えた投票を前に強硬手段を採ったようです。
 ETSIの投票は加盟する企業の売上高などに応じて投票権が付与されるのですが、アップルは欧州に存在する6つの子会社をETSIに加盟させて投票権を多く得ようとしているとのことです。なお、子会社の売上高は少なくとも80億ユーロ以上あるとみられ、その投票権は45票になる見込みです。これとアップル本体のものを合わせると92票になります。その上、他の企業に対しても根回しを済ませており、最も多くの投票権を持つノキアに対して大きなダメージを与えると見られています。
 ノキアはアップルの一連の行動に対して不快感を示しており、これらの行動が認められるものなのかETSIに対して疑問を投げかけました。この件に関しては近日中にも判断が出される見込みであり、問題がなければ来週中にも投票が行われます。
 標準化を巡る争いは政治活動と似た様相を呈します。素晴らしい製品を作る努力を重ねる一方で、ビジネスとしての厳しい戦いが存在することも知らなければなりません。
>>Financial Times [スポンサーリンク]
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